人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『悪魔に赦しを乞え』


by yakumoMkII
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

辞世の書 信愛

今思うと俺の人生は途中までレールに乗っていたのかもしれない

小中と義務教育を普通に果たし
高校は親と教師に薦められるままに道なりに決め
その後はこれ以上勉強をしたくなかったので
就職をすることにしたのだが
就職先もまた教師に薦められるままに
スーパーでのブッチャー(肉を切る人)という職に就いた

何故ブッチャーになったかというと進路指導の教師が
「スーパーで社員になりたければ
 精肉や鮮魚とかの誰もやりたがらん仕事を希望すれば
 受かりやすいぞ」というあんまり有難くない助言をそのまま聞き入れ

面接で「精肉に興味があります」という
良く考えたら危なそうな発言をして
見事にスーパーでの社員の座を勝ち取ったのだ

その後、2年間頑張り続けたのだが
持病である「仕事をしたくない病」が重度にまで陥ってしまったので

ある日突然店長に
「今やってることは俺のやりたいことじゃないので辞めます」
そう発言してしまった

その言葉を聞いた店長は
「辞めるのは構わないのだが
 キミのやりたいことってのは何なのか
 差支えが無ければ教えてくれたまえ」

そう上からの目線で威圧するかのように問われたために
少しムカついたので

「ゲーム」

それだけ答えました

まあまだ二十歳そこそこだったし青かったんだね

これは余談なんですが
俺の親戚ですげー太ってる人がいるんだけど
その人が一時期だけ激痩せしてスリムだったときがあったそうなんですよ

その時期ってのが元々この人は岩手の人なんだけど
東京に上京をしてきて就職をしたのだが
その就職先があまりにもきつかったために
神経をやられてしまったらしく
それでメシもろくに食えずどんどんと痩せ細っていったらしいんだよね

「そんなクソみたいな会社は潰れちまえばいいんだよ
 で?何て会社よ?」

そう太った親戚に尋ねてみると
俺が働いていたスーパーと一緒でした

ね?辞めて正解だったでしょ?

その後、この当時はニートという言葉自体が存在しなかったが
常に時代の最先端を行く俺は計らずともニートとなってしまった

社員として働いていたときの貯蓄があったために
半年ほど遊び歩いてました

正直ゲームだけやってれば
もうちょっと遊べたのかもしれんけど
この当時の俺はギャンブルが大好きだったんで
競馬やパチンコにも手を出していたために
僅か半年で貯蓄が底をついてしまったんだよね

あと、親が食費を払え払えって五月蝿いんだよ
そんでしょうがないから働いてないのに
毎月6万円を家に入れてたんだよ
収入の無い人間から現金を強奪するって
お前らは将軍様か!!って声を大にして言いたかったよね
この出費も結構でかかったな

最終的には金が無くなっても働かずにいたために
親からの借金が中々の額になってしまっていた
これもあくまで金を貸すというスタンスを貫き通した親が悪い
言い方を変えれば全ては丸く収まるのにね
お小遣いをあげるとか

そんで「もう働かなきゃしょうがねー!!」なんて思い
出来るだけ楽な仕事を探し続けていた

ちょっと前に同じような状況に見舞われ
楽で収入がそこそこの仕事を探していると友人に伝えたところ

「選り好みしてる場合かっ!!!!」

そう喝を入れられたときが御座いましたよ
何か俺ってあのときとあんまり変わってないっぽいなあ

そして探しに探して熟考を重ねた結果
今や伝説とも言えるあのシンアイビデオに
見事バイトとして雇ってもらえることに成功した

その後、運命のいたずらなのか
シンアイで今やアメ公の手先となって冷酷さや非情さを増すことにより
聞いた相手が自殺寸前にまで追い込まれると言われる
ブラックジョークにさらに磨きをかけたあの外資系エリート

タカシーノ御大と相見えることとなる
by yakumoMkII | 2007-08-27 07:36 | 短編小説